The VISION トップの描く未来図

籾山 裕
株式会社どんホールディングス 代表取締役

籾山 裕

[ 感即動 ]

略歴

青山学院大学国際政治経済学部卒業後、留学のために渡米。ポールスミス大学ホテル&レストランマネジメント学部卒業。日米の数社の外食企業を経験し新業態開発等のマネジメント業務を歴任。2009年、独立。2013年沖縄県石垣島にスモール&ラグジュアリーホテル「JUSANDI」開業。2019年、不動産賃貸業を営む株式会社どんホールディングスと合併し、代表取締役に就任。現在に至る。

現在の仕事についた経緯は?

独立前は父が代表を務める外食産業の会社の後継者として働いていました。しかし、入社して数年後に会社が債務超過に陥いり、私の人生に大きな転機が来ました。父と相談し、会社を売却することにしたのです。自分自身で決断したことですが、その時の私は人生の奈落の底に落ちた気持ちでした。この時に初めて自分はどういう人生を送りたいのかについて真剣に考えました。父からは起業するなら命を燃やせるような仕事をしろ、とだけ言われていました。が、父の会社を継ぐとしか考えてなく生きてきた私にはすぐ答えが出せませんでした。そんな中、沖縄の石垣島に旅行に行った時に今まで都会で忙しく仕事をし、気付かぬうちに疲弊していた自分の気持ちが大自然の中に身を置きゆっくりすることで浄化されるような感覚を覚えました。そして本当の「生きる」という活力を得たように思います。そこで、自分自身が体験したことをぜひ他の人にも体験してもらいたい、そういう場所を作りたいと思ったのが原点です。

仕事へのこだわり

私は日本の大学卒業後、ホテル&レストランのマネジメントを勉強するためにアメリカへ留学しました。大学卒業後、オレゴン州を拠点にコーヒーショップ(日本でいうところのファミリーレストラン)を数十店舗展開していた企業に就職し、お店の現場でサーバーとして働き始め、後に時間帯責任者として一年間働きました。その時に初めて本格的に店舗運営について学びましたが、知識、技術はもちろんですが、とにかくサービス業は笑顔、相手を思いやる気持ちが大切であるということを学びました。
 27歳の時にアメリカから帰国し、現場での経験を更に積むために某ファミリーレストランを全国展開している企業に就職しました。現在はだいぶ改善されているとは思いますが、当時の外食産業の労働環境はとにかく大変でした。しかし、当時は与えられた仕事、目の前にある仕事に対して自分の将来のためだとがむしゃらに取り組むということだけでした。どんな仕事でも未来の自分にとって無駄になることは一つも無い、すべては経験だと思って仕事に取り組んでいました。
 30歳の時に父の経営する会社に入社し、初めて会社経営に携わることになりました。主に新業態開発などを担当してましたが、一気に部下の数も増え、人材をいかに人財にするかということに注力していた時期でした。何か自分がしたいと思ったことをやろうとしても一人では何も成し遂げられない。自分の分身をどれだけ増やせるかということです。
 35歳の時に残念ながら債務超過により会社を売却することになり、新たに独立し、新しい土地(沖縄県石垣島)で新しい異業種(ホテル業)での挑戦が始まりました。土地探しを始め、その土地ならではの慣習など全てのことが初めてづくしで苦労は絶えませんでしたがやりたいことをやれている幸せ、満足感は今までにないものでした。事業計画書を作り識者に意見を求めに行くと「海外では通用するかもしれないけど日本では通用しないでしょ。」と、誰一人として成功すると言ってくれる人はいませんでした。しかし、私は諦めずに、むしろ成功して見返してやるという気持ちになり、自分の想いと感覚だけを信じて突き進みました。そして4年半という月日がかかりましたが無事に開業までたどり着き、今年で早くも7周年を迎えることが出来ました。
 こうして振り返ると若い時は仕事に対する判断基準が正しいか正しくないかだけで、現在は好きか嫌いか、楽しいか楽しくないかに変わったと思います。理性だけで物事を考え、失敗することを恐れながら働いていた過去から感性を大切にし、感じたらすぐ行動する、命を取られるわけではないくらいに思い失敗を恐れずに何事にも取り組むということでしょうか。

若者へのメッセージ

若い時に本当に自分のやりたいことを見つけるということは非常に難しいと思います。であれば、先ずは自分に与えられた目の前にある仕事に全力で取り組む姿勢というのが大切だと思います。どんな仕事でも決して無駄になることはありません。すべての経験は将来の自分に必ず何かしらの形で活きてきます。そして、本当にやりたい仕事ができるようになった時、失敗を恐れず自分に出来ないことは無いと自分を信じチャレンジしてもらいたいと思います。自分が諦めない限り夢は続くのです。